Gさんが、「レイキヒーリング」をご予約された。
あれっ、先日来られたばかりなのに、どうしたのかな?、と思っていると、
メールで、「公募展に落ちました」とのこと。
長年、陶芸をしてるGさん。
ここ何年か続けて、ある公募展に出品し、初出品から落とされたことがない。
今年は特に力を込めた作品。
どうだろうかと不安もあったが、内心落ちるはずがないと思っていた。
なのに、・・・ショック!! 落選!
セラピールームに来られたGさん、まずは話はそのこと。
先生が掛け合ってくれたが落選の理由がわからない、公募展の審査員が変わったので、好みも変わったのかもしれない、2点出したうちの1点は明らかに作風から審査対象ともならずに無視された気配がする・・・云々。
今までだったら立ち直れなかった、レイキをやっていたお蔭で、強くいられます。
「リベンジします!」
1度公募展に出品した作品は、受け付けない公募展が多いが、中にはOKなところがあるから、他のところに出してみる、とおっしゃる。
「リベンジ!リベンジ!」と、語気を強くする。
レイキのお蔭で、泣き崩れずに、リベンジに立ち向かおうという強さが湧いている、と、それを聞いて、嬉しいはうれしいのだが、何か違和感を感じた。
かつて私も同じ体験をしたことがあるから、落ちた時のショックはわかる。
他の公募展に出してみようというのも、いい案だと思う。
しかし、「リベンジ!」という時のGさんのエネルギーは固く、鋭く、小さい。
チャレンジする情熱ではなく、復讐の暗さがある。
他の公募展を見てから、そこに入選している作風が気にいった公募展を選んで出したら?
今の作品は、もう古いエネルギーだから、新しい作品で挑戦してみたら?
言ってみるが、Gさんの心には落ちない。
新しく作ったものではなく、落選した今回の作品を認めさせたい。
落選するような作品ではないはず。
慢心していたんですね、Gさんおっしゃる。初出品から毎年順調に入選していたものだから。
気持ち切り替えます。
そうはおっしゃるが、「リベンジ!リベンジ!!」と繰り返す。
一通りお聞きしてから、「レイキヒーリング」を開始すると、
「レイキヒーリング」を受けられて、リラックスされたのだろう、今度は、これから先のことを話される。
頼まれている作品のこと、それに対する気持ち。
嬉しそうに話される。
聞いていた私もアイデアが浮かんでくる。
こんなのはどうですか?
2人で、あ~もいいね、こ~もいいねと、アイデアがどんどん膨らむ。
もともとは、ご自分の使う食器を作りたかったGさん。
公募展に出品する大物に手がかかってしまい、本来目的の小物に時間が割けなくなっていた。
私の作る作品を気に入って、買ってくださる方も現れたんですよ、頼まれてかわいいご飯茶わんのセットを作って渡したんです。
ああいうのを、もっと作っていきたいし、それから、それから・・。
夢を語るGさんの声は弾む。
そう話している時のGさんのエネルギーは大きく、丸く、柔らかい。
もしかしたら、趣味として始めた陶芸だけど、副業としても少しはやっていけるかもしれない。
Gさん、新しい夢に少しずつOK出せそう。
Gさんが帰られてから、またふと思い出して考えてみた。
Gさんが「リベンジ!」とおっしゃっていたときの違和感。
そういえば、これと同じでは?と思ったのは、こんなこと。
絶対に結婚するはず、と思っていた相手からフラれて、
ありえない!
あんな奴、見返してやる!!
もっと他の人と結婚してみせるーーー!!
でも、ここに、愛はない。
目的が、結婚して幸せな家庭を築くことではなく、結婚そのものになってしまっている。
翌日の「お茶会」にいらしたGさんにそのことを話してみた。
昨日、Gさんは、作品について何も言わなかったですよね。
この形にするのにどんな工夫をしたとか、釉薬をどれにするか迷ったとか、何も。
それを聞いて、Gさん、ハッとしたように目を見開いて、「そういえば、一言も言わなかった・・。」
目的が違ってしまっているのでは?
落選したのは悪いことじゃない。
ここで立ち止まって考えなさい、って言ってくれている。
慣れてきたこの頃。
慢心は入選にではなく、向き合う作品に対して。
本当は何がしたかったの?思い出して、そして、自分の未来に何を残したいか、今考えて。
最初のころに味わったワクワクする気持ち。
楽しい気持ち。
Gさんは思い出す。
何をしていきたいのか、じっくり考えなおすよい機会になるだろう。
人生には、こんなことが時々起る。
順調に行っていたと思っていたことが、ある日急にひっくり返る。
なぜだ!!?
その時に、大抵、人は「今までどおり」を続けさせようともがく。
でもそれ、何のために起こっていることなのかな?
本当に、そのままでいいんだろうか?
もしかしたら、今の自分のスタンスを問い直されているのかもしれないし、
あるいは、もう手放して、違うことをしてみたほうがいいのかもしれない。
もっと新しい出会いが待っているから、そこばかり見ないでと言われているのかもしれないし、
今のままでは本当に終わりになりますよと注意を促されているのかもしれない。
それは人それぞれ。
いずれにせよ、「今までどおり」をそのまま、続けようとすることに努力するよりも、
今の自分のあり方を見直すことに時間を割いたほうがいい。
そこで、少し、遠回りしたように見えても、その先に見えるものが違う。
遠回りしただけ、たくさんのものも見れる。
「今までどおり」が、止まった時。
それは、もう一度自分を見直す、とても良いチャンス。
だって、誰も、
あなた、それじゃあぁ、うまくないですよ、なんて、言ってくれないのに、天は言ってきてくれてるんですよ。
見直す時ですよ、って。
その声、嫌だろうけど、ちゃんと受け止めてね。
あなたの本当の心の声だから。
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